C86お疲れさまでした


スペースこんな感じでした(↑ピースしているのは相方のカシスオレンジさんです^^)

お越し下さった皆様、どうもありがとうございました〜!
差し入れも嬉しかったです(*´д`*)
持っていった本は、お昼ぐらいにすべてなくなってしまいました(゚д゚)ワー

既刊はもともと少なめでしたが、新刊は絶対余るだろうと思っていたのでびっくりしました。ありがたいです〜!ですが、完売後にお越し下さった皆様には大変申し訳なかったです……。再販しますので、通販ご希望のかたはもう少しお持ちください。すみません。おそらく偽物の恋(後篇)と同時に再販分も通販出来るようになると思います。


2、3名の方にはここのブログアドレスをお教えしたのですが、慌てて書いたので解読不可能な文字になってはいなかったか、と今になって心配に(;´・ω・)
通販ページへは、WEBから閲覧したとき限定になりますが、右側のサイドバーの上部から飛べます。


私なんぞにお声をかけて下さったかたもいらっしゃって、嬉しいやら恥ずかしいやらでド緊張しました。暑さで若干ぼんやりしていたので、変なこと口走っていたらすみません……!でも、こうして直接お渡しできる機会というのは良いですね。みなさんのあたたかいお言葉が創作の糧になってゆきます。゚(゚´ω`゚)゚。本当にありがとうございました!

アンソロ表紙公開しました


宝井理人作品アンソロジー告知ブログ
記事更新しております。
夏コミまであともう少しですね〜。

C86


2日目(土曜日)東2ホールS-06a【PURSLANE】です
まだ先の話ですがどうぞよろしくお願いします〜

城谷さん


テンカウントの城谷さん。1巻発売おめでたい!ということで。
ここに載せる絵はPixivなどにもアップしているので、ブログにまで置くのはさすがに……と毎回思っているのですが、たまたまここをチェックして下さったかたもいるだろうし……ということで置いときます。
もう見たよしつこいよ!!!という方はごめんなさい(´・ω・`)
そんで私は相変わらず本編とかけはなれたイメージの絵を描くのが得意です。この絵だけみたらどんな漫画なのかわかりませんね……(汗)なんか発光してますがべつに超能力ものとかじゃないですからね……。実は天然さん?な潔癖症の美人社長秘書と無口無愛想な心療内科のカウンセラーが織り成す恋のセラピーですよ!!1巻は発売前から重版がかかったそうでうおおおおおおおおおスゲエエエエってひっくり返りました。

C86申し込みました


オワアア……!1か月以上ぶりです〜こんにちは。
当選したらコミケは2回目の参加ですね。
あーーーどうかどうか受かりますように〜
今年はコミケ雲出現しないよう願います(汗)

ブログ更新しない間も、絵はいろいろ描いてました。
最近のものはピクシブにおいてます〜
下の記事【花のみやこで】のCDジャケもお揃いだったら云々〜!(*>ω<*)について……先日ついに公開されたジャケ絵を見てモニター越しに叫んだのは言うまでもありません……

ついに幻覚を……と思いましたがどうやら現実です。

夢は願えば叶います。

【年賀状企画】御崎と弓弦さん

こんばんは。お知らせです。
12月31日までに、以下のメルフォからメールアドレスを送信していただきますと、私からあけおめお年賀絵メールが届きます。
今年は御崎と弓弦さんです。去年はちびっこ有川&御崎でした。


↑さんぷる

今年も残すところあと10日ほどとなりました。
2013年もお付き合いありがとうございました!!
来年も宝井さんの作品に萌え萌えしながら何かと活動させて頂きたいなと思っておりますので、ブログの更新頻度は落ちてますけどみなさん私を見捨てないでくださいっ……

では少し早いですが、良いお年を〜

(……あっ、でも今年もう1回クリスマスあたりに更新しにきます ので)


※最近はほとんどTwitterの住人と化していますので、こちらを見て頂いたほうが、今何してるのかわかるかと……よろしければ…… ID=swordriver


【セブンデイズ・花のみぞ知る】新刊通販開始しました


おおおお待たせしましたーー。
入稿から約ひと月経ってしまいましたが……
出す出す詐欺にならなくて良かったです、とりあえず(;^ω^)

右のサイドバー か もしくは http://tachikawa.cart.fc2.com/ から
通販ページに飛びます。
8月は入金のタイミングによって発送日が異なりますので、かならず通販ページの
お知らせをご確認ください。


各本内容の詳細は、少しさかのぼって頂けると該当記事がございますのでそちらから
確認お願いします。

それでは、どうぞよろしくお願い致します(*・ω・)*_ _))ペコ


入稿しました

 

【恋する箱庭】と【春夏秋冬】2冊とも入稿しました。

繁忙期ということで仕上がってくるのは8月中旬くらいかもしれないのですが……。
詳細や通販についてなど、ここでお知らせしますので、よろしくお願いします。
恋する〜のほうはなんと100ページになってしまいました。
すごいね3ケタだよ!仕上がりがこわい!!
どうしてこんなボリュームになったのかわたしにもわからねえ

まだ日があるので、ペーパー作れたらいいな〜〜〜と思ってます。

原稿中だったので我慢してたんですが、宝井さんの新連載早く読みたい……ウズウズ
市川春子さんの新刊も、元ハルヒラさんの新刊もっ!ノジノジのアメとムチCDもっ!

短編集その2【春夏秋冬】サンプル



もう1冊、本を発行できそうなのでお知らせしますー。
ずっと出しそびれていたので、やっと……なんですが……φ(`д´)
以前、ゆうびん小説という企画を行ったことがありまして、希望される方にお送りしていた【春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)】という4編からなる小説を、今回まとめて1冊にしました。

セブンデイズ(芹生&弓弦)と花のみぞ知る(有川&御崎)それぞれのお話です。
内容はこんな感じです……


【春の章】(芹生×弓弦)
『今日の休練、気が向いたら顔出すわ』

今までのパターンから推測するに、こういう場合、弓弦さんの「気が向く度」は限りなくゼロに近い。
あの人が気分で行動するのは今に始まったことじゃない。一緒にいてよく驚かされたりもするけれど、そんな『篠 弓弦』の性格をちゃんと理解した上で、すべてをひっくるめて好きだから。
だから俺は彼の恋人になりたいと思った。

……わかってはいるんだけど。
たまに、無性に……やりきれなくなくなる。


★ ★ ★

芹生! なに余所見してるの!」

 突如飛んできたするどい一喝で、俺は我に返った。
驚いたはずみで指から乙矢が外れ、床に取り落としてしまう。乾いた音が道場に響いた。

(……やばい、部活中だった)

「あんた、さっきから戸口のほうばっかり気にして全然集中できてないじゃない。今日は先生が不在だからって気を抜かないで。そんなに帰りたいなら出ていって。それとも具合でも悪いの?」
「い、いえっ……、すみません。大丈夫です」
「そう、じゃあ校内10周してくること」
「え?」
「聞こえなかった? 走りこみしてこいって言ってるのよ。気合入れ直してきなさい」

新部長に任命された、鬼の指導で有名な堤先輩がぴしゃりと言い放つ。
一部始終を見守っていた部員たちから注がれる、『気の毒に』と言わんばかりの視線に見送られながら俺は道場をあとにした。

……ついてない。
がりがりと頭を掻いて、俺は渡り廊下まで重い足取りで向かった。
外はいい天気だ。サボりたい、すごく。
でも、うっすらとでも汗を滲ませないまま戻ったら絶対にばれるだろうし。
項垂れながら歩いていると、窓から花びらがふわりと入ってきて、俺は足を止めた。

桜だ。

そういえば、校内新聞に先週満開になったという記事が載っていたっけ。
誘われるように俺は中庭に向かっていた。三年生の教室の近くに植えられている大きなソメイヨシノを見上げると、連日の強風のせいなのか、もう枝に花はほとんど残っていなかった。
俺がたたずんでいる間にも舞い上げられて散った花びらは、水溜りに捕らわれ、薄桃色の絨毯のように水面を覆いつくす。
そういえば、弓弦さんのクラスはこの木のすぐ近くじゃなかっただろうか?
なんとなく顔をあげてみると、窓が一箇所だけ開いていて、そのすぐ近くの席に誰かが頬杖をついて座っていた。
なにをしているんだろう。今日は日曜日なのに……。んだか、ものすごく見覚えのある横顔だけど……。

「……っ!」

その数秒後、俺は4階の教室に向かって駆け出していた。


【夏の章】(有川×御崎)
「あっ、見て見て! 御崎、見て!」 
いつものようにふたりで、駅へと向かう帰り道。
三歩ほど前を歩いていた有川が、突然大声を上げて頭上を指さした。
俺はその指先の方向へ目を向けたけれど、あるのはなんの変哲もない、闇に包まれた空だけだった。

「おしい、消えちゃったね」
「何が?」
「御崎、今夜参加する? 俺は向こうのコンビニで買出ししたら、またすぐ戻ってくるんだけどさ」
「……だから、なに。全然話が見えないんだけど……」
「一階の掲示板にポスター貼ってあったでしょ」
「?」
「あれ、知らない? 今日十二日だよね。ペルセウス座流星群の屋上観測会だよ。ほら、毎年この時期にやってるじゃん。天文部流星班のやつらが主催でさ」

そういえば、試験日程表のとなりに、流れ星が描かれているポスターが貼り付けてあったかもしれない。俺はそういったイベントごとには無頓着だし参加したことがないから、毎年恒例だったとは初耳だ。

「って言っても、このあたりは夜中でも明るいだろ。あんまり期待できないんじゃないか?」
「でもほら、今年は新月だし!」
「どうせみんな観測会を口実に、騒ぎたいだけなんだろうな」
「……御崎、するどいね」
「部員でもない生徒が夜中に出てきてまで参加する理由なんて、だいたい察しがつくよ」
「俺は、わりと真面目に観測するつもりだけどなぁ。ね、御崎も一緒に行こうよ」

肩にかけていた鞄をぶんと振り回して、有川は心底たのしそうに笑った。

「いや……、やめておく」
「え、どうして? 用事ある?」
「ああ」
「そっか、残念だな。御崎といくつ願掛けできるか、競おうと思ったのに」
「……願掛け?」
「そう。流れ星が消えちゃう前に願い事を三回唱えると、叶うっていうでしょ」

★ ★ ★

乗客の熱気で曇った窓ガラスをぼんやりと見つめながら、俺は有川の言葉を思い出していた。
あんなこと、本気で信じているのだろうか。
明確な根拠はどこにもないのに。
流星なんて、所詮は彗星の塵にすぎない。

『有川って……、意外とロマンチストだな』
『えっ、そう? うーん、でも言われてみればそっか、星に願いをってロマンだよね。御崎は、あんまり興味
ない?』
『天体観測は、嫌いじゃないけど。願いが叶うとか……、迷信だろ。俺は……信じないよ』
『…………』

有川が、俺の言葉の意図を探ろうとしていた。顔を見なくても、伝わってくる空気でわかる。
街灯に群れている虫の影を眺めながら待つ沈黙は、とても長く感じた。
生ぬるい風にのって、有川が小さく息を吸い込む音が聞こえた。続く言葉を待ったけれど、結局有川は「そっか」と微笑むだけで。 

そのまま、俺たちは別れた。


【秋の章】(芹生×弓弦)
秋といえば? そう問われたら、たいていの人間はこう答えるだろう。
食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、そして芸術の秋。
俺は、『秋だから』芸術に触れましょう、という理由で、強制的に催されるこのイベントに疑問を抱く。

……まぁ、ただ単に面倒くさいだけなんだけど。

★ ★ ★

「わかってねーなあ、篠」

画家気取りに水彩筆を立ててポーズを決めながら、内海は俺を鼻で笑った。

「篠 弓弦ってヤツは美意識に欠けるんだよな。日本人なら、こうして四季の風情を大切するべきじゃないか? ん?」

おまけに意味もなく上から目線だ。
なんとなくムカついたので、俺は内海の背中に軽く蹴りを入れてやった。

「内海が日々風情とやらを意識して生きてるとは思えねー。じゃあ聞くけど、おまえにとって『秋』といえばなに?」

鉛筆をマイク替わりにしながらたずねると、「そりゃあ、食欲の秋だろ」と内海はふんぞり返って答えた。

「……底の浅い主張をどうも」
「日本人ならマイノリティよりマジョリティに賛同するべきだとは思わんかね、弓弦くん」

雲ひとつない、澄みわたった晴天。まさしく秋晴れの土曜日。
今日は九月の恒例行事である写生大会の日で、全校生徒が邦華の裏にある公園に集まっている。公園といっても面積は広大だ。生徒は皆、一年も二年も三年も関係なく、散り散りになって自由に行動している。寝ているやつもいるし、堂々といちゃついてる男女も……、っていうか、真面目に描いてるやつなんていんのか?

「あーあ、休みだっつーのになんでこんな……、ッ痛!」

いつもの休日ならまだ余裕で寝ている時間だ、と萎えていると、後ろから誰かに思い切り頭を引っ叩かれた。振り向くと、腰に手をあてて立っている小池ちゃんが居た。凶器は丸めた本のようなもの。

「しーの、下品なあくびをするんじゃないって何度言えばわかるのよ」
「してないっつの!」
「あら、そう? それはごめんなさいね」
「小池ちゃん……、悪いと思ってねーだろ」
「当たり前じゃない。あんたは日頃の行いが悪いから誤解されんのよ」

艶やかな黒髪を指で梳きながら、小池ちゃんは内海の隣に腰をおろした。
言いがかりだけならともかく暴力まで振るっておいて、なんつう態度だ。
「いや、グッジョブ小池ちゃん。篠はマジであくびする3秒前だった」
内海が親指を立てて、小池ちゃんを褒め称える。

「おい内海、勝手に決めつけんな」
「そんなことより、あんたたち呑気に遊んでるようだけど描けたの? 完成した生徒から帰っていいって、知らないわけじゃ
ないでしょうね」
「は?」
「知ってるよ。俺はあとこの空の色塗って終わりだし」

内海は得意げに、八割がた完成している風景画を小池ちゃんに披露した。
ちょっと待て、一緒になって喋ってたくせに、いつの間にそこまで進んでたんだ。

「は、って……、まさか篠。……うわ、真っ白じゃない! あんた今までなにしてたわけ? もうお昼すぎてるのよ!?」
「え、ええ? つーか完成次第って……そんな事言ってた? いつ!」
「……言ったというより、書いてあったな。『写生会の注意事項』に。今年から色々変更があるんだってさ」

内海が両手の人差し指で、空中に紙を描くようなジャスチャーをした。
もしかすると、昨日帰り際に配られたプリントのことか。どうせたいした内容ではないだろうと、机のなかに突っ込んだままだ。もちろん、目など通していない。
俺の焦りを悟ったのか、内海と小池ちゃんが哀れむような目でこっちを見ていた。

「……な、なんだよ」


【冬の章】(有川×御崎)
「はっくしゅん !」
「……っくしゅ」

同じタイミングでくしゃみをした俺と御崎は、思わず互いに顔を見合わせた。

「あははっ、息ぴったりだったね」
「有川のほうが少しだけ早かったんじゃないか?」
「御崎の声が小さいから、そう感じたんじゃない?」
「違うって、有川が先だった」
「えー? そんなことないよ、一緒だった……」
「はいはい、ストーップ。僕がこの場の証人になりましょう。ふたりとも全く同じ、シンクロしてましたよ。御崎くんも有川も、じゃれあうのはいいけど程々にね、手も動かそうね」

俺たちのやりとりを見かねたのか、書類に目を通していた辻村先生が仲裁に入った。
敬愛している先生に窘められた御崎は、顔を赤くして小さな声で謝罪する。

「……すいません。でも、じゃれ合ってなんかいませんよ」
「じゃれてたよ。僕の存在を忘れるほどにね」

笑いながら肩をすくめる辻村先生に、御崎は首をかしげた。

「どういう意味ですか?」
「クールな御崎くんにしては珍しいじゃない。普段人前で声を荒げるというか、感情的になることって滅多にないでしょう」

今度は俺が首をかしげた。そうかな、御崎って俺の前だといつもこんな感じだと思うけど。

「は!?」

御崎がものすごい形相でこっちを見た。

「あれっ、俺、声に出してた?」
「出てたよ……思いきり」
「へえー、有川の前では、いつも、ね。ふむ。そうかそうか」
「ちょっ……、辻村先生。何ひとりで納得してるんです……。言っておきますけど、そんなことありませんから。絶対」
「いやぁ、隠さなくても。良い傾向だよ」
「……仰っている意味がわかりません……」

御崎は照れているのか、急に席を立って資料室に引っ込んでしまった。御崎の姿が見えなくなった後、俺と
辻村先生はこっそりと笑いあった。

「あの子の表情が豊かになったのは、有川のおかげかな」
「え?」
「御崎くんって、同年代の子に比べてやけに大人びてるというか、若干近寄りがたい雰囲気があったでしょ。
周りとうまくやっていけてるのかなって心配してたんだけど、最近の彼を見てると杞憂だったかなって思うよ」
「俺、別になんにもしてませんよ。ただ、一緒にいるだけで……」
「うん。それでいいんだよ」
「?」
「そのままの有川で、あの子の隣にいてあげて」

俺は、御崎がこもっている部屋に目を向けた。
ドアの向こうの御崎を想像する。聞こえているのかな。
聞いているなら、今の辻村先生の言葉を御崎はどう受け止めただろう。この場にいたなら、きっとそんなことないって否定するんだろうけど、事実ならいいなって思う。俺が御崎を変えたなんて、大層なことをしたなんて自覚は勿論ない。
でも、俺よりもずっと御崎を知っている先生がそう感じるのなら、きっとそうなんだろうと、ちょっと自惚れてみたりして……。

*―゚+.。o○*☆*○o。.+゚―*

詳細はまたお知らせしますねー。
ご興味がありましたら、どうぞよろしくお願いします。


(7/10更新)短編集【恋する箱庭】サンプルとか

7月中には出せt……出しますー。
内容&一部サンプルできたので…… (´・ω・`)つ

※7/10【恋する箱庭】の試し読み追加しました。



【恋する箱庭】セブンデイズ&花のみぞ知る 小説本 P数・価格未定
今までサイトなどで公開した短編小説を1冊にまとめたものです。加筆修正あり。





○収録作品○(本文より一部抜粋)

【セブンデイズ】芹生×弓弦

・ペニーローファーでさんぽ
……誰もいないはずの、整然と並んでいる靴箱の前。
ちょうど、冬至が所属する四組のあたりに見覚えのある人物が立っていた。
現在はどのクラスも授業中のはずだし、三年生である彼がこんな場所にいるのは不自然だ。
けれど違えるはずはない。
篠弓弦の茶色い絹糸のような髪が、外から射し込むに光に照らされ、きらめいている。
冬至は気配を殺して、弓弦の様子を見守った。弓弦は周囲を軽く見回したあと、誰かの靴箱に狙いをさだめ、中からそっと革靴を取り出した。
それは、まぎれもなく冬至のものだった。

ハーフサドルのペニーローファー。種類は自由だが、邦華学園ではローファーが指定靴となっている。校内では基本的に土足が許されているので、大半の生徒は外靴と上靴を兼用している。冬至もまた、その大半のうちのひとりだった。学校にいる間はずっと履いているローファー。だが、唯一持ち主から離れて無防備になる『例外』もある。
運動靴に履き替える『体育の時間』だ。

(どうして弓弦さんが、俺の靴なんか?)

冬至は弓弦の行動を観察し続けた。周囲の様子を気にしながら、弓弦はそれまで履いていた自分の靴を脱ぎ、冬至の靴に履き替えた。そして、一歩、二歩と慎重に歩き出す。

(……!? え、弓弦さん……、何してるんだろう……)

さすがに不審すぎる弓弦の奇行を問いただすため、冬至が足を踏み出したその時。
階段の踊り場から、野太い男の声が降ってきた。


シークレット・シークレット
「え、弓弦さん。ここ横浜だよ。降りるの?」
「あれー? 言ってなかったっけ。今日さー、幼稚園のときの友達と会う約束してんだよ」
「……おとついは中学校時代の友人で、その前は小学校……だったよね。どうしたの? 急に旧友関係を大切にし始めちゃったりして」
「べ、べつにー。なんとなく。昔のアルバム眺めてたらさ、元気にしてっかなーと思って。あ、もちろん友達ってもオンナじゃねーからな。心配すんな、同姓! 男友達だし」
「……俺としては、男友達であることのほうが気がかりなんだけどね」
「バーカ、どうにかなるわけねーだろ。んじゃーな芹生。また明日」
「……う、うん……」

発車のベルが鳴り、俺は慌てて車内から降りた。
電車がゆっくりと動き出す。芹生が、何か言いたげな顔でこっちを見ていた。

さすがに、怪しまれても仕方がない。
もちろん、同級生と会うっつーのは大嘘だ。
だが、それも今回で終わり。今日中に、俺は決着をつけなければならない。

なにしろ、バレンタインデーは明日なのだから。


・シークレット・シークレット・シークレット
「よぉーく思い出せ。あれは一昨年のバレンタイン。おまえホワイトデーのお返し、俺になにくれた?」
「時計だよね」
「ただの時計じゃねーだろ。ブルガリ! あんな高級腕時計、高校生の分際で簡単に買うなよ! おまえの感覚どーなってんだ」
「だって、弓弦さん三倍返しって……」
「小学生からやり直せ」
「気持ちの問題でしょ。それぐらい嬉しかったってことなんだから。ねえ弓弦さん、あの時計どうしたの?」
「返品できねーって言われたから、クローゼットの中」
「……使ってくれないんだね」
「あのさぁ、高校生に見合うシロモノか!? せめて成人してからだろ。……あー話が脱線した。次! 去年のバレンタイン!」
「去年は……特になにも」
「したじゃねーか。わざわざ宅急便でチョコ送りつけるとか、手の込んだことしやがって」
「おいしかったでしょ」
「大半は妹に食われたけどな。スッゲーうま……、……うまかったけど。でも今年のバレンタインは中止だ。俺は芹生にやんねーし、芹生からのチョコもぜったい受け取らない」

語尾に確固たる意志をこめて言い切った。俺は今年、ほんとうに何も用意していないのだ。
ちらりと様子を伺う。芹生は黙り込んでいた。
怒っているんじゃない。片眉が微妙にあがっているのは、困っているときのクセ。

「そっか、わかった」
「あ?」

芹生はにこっと微笑んで、歩き出した。



・言葉がなくても
弓弦さんは肩を震わせている。
そこまでおかしいのだろうか……。だんだん気が沈んできた。弓弦さんの笑いのツボにひっかからないよう、俺はなるべく声の音量を落として話す。

「喋らないなんて、そういうわけにはいかないよ」
「まーな、でも無理しても悪化する一方だしさ。授業で当てられる以外は筆談でもしとけば?」
「無理に決まってるでしょ……」
「あっ、いいこと考えた。目で語る! 男なら瞳で語れよ、芹生!」
「い、意味がわからないんだけど」

まったく、人事だと思って……。
弓弦さんは面白がって、俺にアレコレ思いつきで無茶な提案をしてくる。

「瞳で語れって言うけど、じゃあ弓弦さんがお手本見せてよ」



・オトナの証明
「で、いつまで抱き合ってんの、おめーらは」
「はっ?」

弓弦さんが、不自然に膨らんだ俺の胸元に人差し指を突きつけた。
制服の中からもぞもぞと這い出てきたのは一匹の白い子犬だ。

「誤解を生むような言い方はやめてよ、弓弦さん」
「抱き合ってんじゃん、さっきから。なんで俺には懐いてくんないわけ? 芹生にくっついてたら、おまえまでずぶ濡れになるぞ、ほらこっち来い」

弓弦さんが、子犬にむかっておいでおいでをしたけれど、子犬は小さい声でクゥンと鳴いたあと、再び俺の胸の中へ隠れてしまった。ふわふわした毛が素肌に触れて、くすぐったい。

「む、ムカつく。……さてはおまえメスだな? そうだろ。俺、犬にまでフられるとは思ってなかった……」


・インデックスには無い方法(書き下ろし)
「どこ行くの」
「帰る」
「駅は反対方向だよ?」
「じゃあ便所」
「って……、ちょっと待って。話を」
「うっせえ触んな! 話すことなんかもうねーじゃん。おまえ、俺と同棲したくねぇんだろ!」
「ちっ……違うよ!」
「だって、だっ……、て……。嫌だって、言った……」

弓弦さんの目がみるみるうちに赤くなった。あ、あれ。
……弓弦さん、泣く? そういえば泣き顔って初めてかも……。


【花のみぞ知る】有川×御崎

・恋する箱庭
喉の渇きを覚え、詔太はリビングへ向かった。冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、コップに注ぐ。ひとくち飲み息を吐くと、コップが吐息で白く曇った。冷たい水で思考が冴えると、途端に周囲の静けさが気になった。

……静かだ。

慣れきっているはずの静寂が、どうしてこんなに怖いのだろう。
しんと冷えた深夜の空気のなかに、自分はひとり佇んでいる。物音が一切聴こえない代わりに、あるはずのない『無音の音』が詔太の感覚を支配した。
いつもはうるさいぐらいに響く時計の音すら耳に入ってこない。
詔太は言いようの無い不安に襲われ、リビングを出た。

「ありかわ……」

無意識に、その名前を呟く。
そうだ、今夜はひとりではないのだ。一瞬でいい。洋一の顔を見て、安心したい。
詔太の足は、洋一が眠っている和室へ向かった。起こさないように、そっと襖を開ける。暗闇にすっかり慣れた目が、畳に敷かれた布団をとらえた。

……だが、洋一の姿は、そこになかった。


*―゚+.。o○*☆*○o。.+゚―*


ふたたび洋一に息を奪われ、詔太は行き場を失った反論を飲みこむしかなかった。
洋一は吸うように音をたてながら、やわらかな詔太の唇を味わうと、名残惜しそうに離れた。
目が慣れたとはいえ、暗闇では多少動きが鈍る。抵抗も空しく、詔太はあっという間に洋一に組み敷かれてしまった。洋一は慣れた手つきで詔太のパジャマを脱がせ、あらわになった青白い素肌に汗ばんだ手のひらを這わせた。はじめは肩を撫でまわしていた指は、少しずつ下へと移動し、やがて左胸の乳首を焦らすように弄りはじめた。
つまんで、押して、円を描く。強弱をつけながら、ゆっくりと、絶妙な力加減で。

「うぅっ……、あ、りかっ……、やめ……」

詔太はふるえながら懇願した。こんなこと、ずっとされたら気が狂いそうだ。

「御崎……?」
「も、やだ……っ、それ、嫌だっ……触るなら、ちゃんと」
「指で? それとも……これで?」

洋一は詔太に見せつけるように、半開きにした唇から赤い舌をのぞかせた。
艶めかしい動きに、詔太の喉がごくりと鳴る。

「ば、馬鹿、そんなの……、ど、どっちでも……」
「ふうん? じゃ、こっちでいいんだ」
「あっ」

洋一は親指の腹で、かたくなっている詔太の小さな突起をこねるように押しつけた。

「いっ……」

電流がはしったように、詔太の身体がびくびくと痙攣した。痛いのに、気持ちがいい。
けれど違う。本当にほしいのはこんな快楽じゃない。
詔太は、瞳からあふれる涙をふりおとすように顔を左右に振った。

「御崎、泣いてるの……。どうして? かわいそう」とろんとした目つきで、洋一は詔太を見下ろした。
−−−−わかっているくせに。
「ものたりないの?」耳元でささやかれる。
−−−−ああ、そうだよ、足りない……こんなものじゃ、全然。

「言ってよ。御崎の声で聞きたい。どうして欲しい? 俺に」



・低気圧とスニーカー
有川洋一は、研究室の窓にあたる雨音を聞きながら目を開けた。
視線の先では、先ほどと全く同じ体勢の御崎詔太が険しい顔で顕微鏡を覗いている。

(きれいだな……)

彼は座っているときも、歩いているときも、ご飯を食べているときも、ピンとまっすぐに伸びた女の艶髪のような姿勢を崩さない。

(俺ってつい猫背になりがちだもんなぁ)

洋一は机に伏せていた上体を起こし、やわらかくなった紙コップをつかんだ。
冷えたブラックコーヒーを一気に飲み干すと、こめかみを押さえつける圧迫感が少し軽くなったような気がした。

「御崎」
「ん?」
「降水確率って、あるでしょ」
「ああ」
「パーセンテージの数字が高ければ高いほど、たくさん降るって思ってたんだ。俺」
「……うん」
「でも違うんだよね。一ミリ以上の雨や雪が降る確率イコール降水確率。たとえば四十%だとしたら、十回のうち四回は一ミリ以上の降水が観測されるってことで、量とは無関係なんだよ」
「うん……」
「そういえば欲しがってたコーヒーミル入荷してたけど、来週買いに行く?」
「うん」
「それともうひとつ。辻村先生、今日、白衣を裏返しに着てたよね」
「うん」
「……御崎」
「ん?」


・恋文
「どうしたの、御崎?」
「……なんでもない」
「嘘。ちょっと怖い顔になってるよ」
「……き、昨日」
「ん?」
「おまえ昨夜、酔っ払いながら一生懸命何か書いてたよな。ここで」
「え!? ごめん、ぜんぜん覚えてないや。何してたんだろう俺」
「朝……テーブルの上を見たら、これが置いてあった。悪いとは思ったけど、中身がどうしても気になって……読んだんだ。有川、これはおまえが書いたものだろ」

御崎が申し訳なさそうに、封筒を差し出した。手紙? 
白いレターセットなんて……俺の私物にこんなもの、あっただろうか。
……けれど、受け取って、すぐに思い出した。これは。


・カフェでいっしょに(有川&かなみ+池島)
「……ごめん。わたし、悪趣味だね。元カノに今付き合ってる子の事、細かく詮索されたくないよね……」
「あっ、いや、なんていうか……ちょっと恥ずかしいだけで」
「洋一、なんだか変わった」
「?」
「顔にしまりがなくなった、っていうか」
「え?」
「普通の男の子みたい」
「え、え? どういうこと?」

洋一が、「太ったかな? 体重は増えてないんだけど」と、あわてて頬に手をあてた。


・僕を呼ぶ声(花のみやこで・基晴×晶)
「同じだ」

きっぱりと、晶は断言した。
身体は横たえたまま、まっすぐな視線を僕に向けている。真剣なまなざしにドキリとした。
静かな湖の水面を想起させる、とても穏やかな表情で、晶は続けた。

「今生の別れと、変わらない……。永遠の別離を、僕たちは迎えようとしている」
「……晶?」
「この宿から一歩外に出れば、僕らはただの友人に戻るんだ。互いの胸に、想いを秘めたまで。……だから今、僕が、基晴のものでいられるうちに刻み付けたい。おまえの名前を、僕の心に……魂に。言の葉にのせて、一生、消えないように。……基晴。……好きだよ、大好きだ。愛してる……」



・星の地図(書き下ろし)
有川のにおいに混じって、紫煙の残り香が鼻をついた。
目の前の癖毛に顔をよせて、確かめる。

(やっぱりタバコだ。有川、吸ってるのかな。家では見たことないけど)

「御崎」
「ん……?」
「キスしてもいい……ですか」
「な、なんで敬語」
「お願いする立場としては、改まったほうがいいかと思って」
「今さっき、したよな?」
「あれは、軽くだったから……。もっと、ちゃんとしたやつ」
「? 何だよ。聞くなそんなこと! いつもなら強引にしかけてくるくせに……」

(あ、もしかして)

俺は様子のおかしい有川の顔を、両手ではさんでサンドイッチ状態にした。
額をよせて、ささやく。

「……いいよ。俺も、確かめたいことあるし」
「えっ、何を?」
「キスしたらわかる」



☆゚+。☆。+゚☆゚+。☆。+゚☆


また詳細決まったら追加しますー。


                
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